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B787の対応について

さて、早速ですが、現在何かと話題になっています、ボーイング社製B787旅客機のバッテリー対応について簡単に古波津の個人的な考察と見解を述べたいと思います。

今回の問題は、バッテリーが何らかの原因により発火し、火災の手前でことなきを得たというところが事の発端になります。

以降、米連邦航空局(FAA)の指示に基づき運行を全て停止させる措置がとられ、原因の究明と対策の検討を今日まで行われてきたというもので、その対策がこの度公表されました。

今回採られた対策は以下の通りです(昨日ニュースでみた結果を元に古波津が解釈)

・バッテリーモジュール内のにあるバッテリーパック毎に区画を設け、仮にバッテリーの1つが発火しても他パックへの延焼を防ぐための防火対策が採られた

・バッテリーパック内で発煙、発熱した場合に備え、その気体を機外に放出するためのパスを設けたことにより、ガスが機内に入り込むのを防ぐ

というものです。

簡単に解釈すると「仮に発火・発煙しても延焼をしない対策を採ったため、火災による墜落のリスクは限りなく減少した」というのが今回の対策の趣旨になります。

この対策が採られたことにより、FAAや経産省が検証を加えた結果、テスト飛行後に運行を承認する方向で動き始めたというのが現在の状況です。

この承認に至る背景としては、このバッテリーの位置づけが大きく関わります。

通常、旅客航空機の発電はエンジン(バックアップ発電機を含む)により行うため、バッテリーから供給される訳ではなく、エンジンが全て停止しても最低限運行に支障がない程度の電気を供給するために設置されているもので、通常運行時は稼働しないものです。

航空機における最悪の事態とは通常の飛行に支障をきたす問題、すなわち墜落するということになります。何でもそうですが、人の生命を脅かす問題を避けることが優先順位としては最も高くなるので、航空機の場合は火災や墜落によって人命に影響を及ぼすことをまず避ける対策がとられるわけです。

では、バッテリーが問題で墜落に至る最悪の故障とは・・・発火が原因で火災に至る、ということになるため、今回の対策のように、延焼を防ぐということは最終的に機体の火災に通じない対策がとられたのであれば、それは適切な対策であると私は思います。

ただし、これはマスコミが騒ぐポイントですが、いろいろ言われているものの、発火に至った原因は不明で、今後引き続き検証を進めるとされています。

結局のところ発火した原因そのものが分からないため、発火するというリスクはそのまま残ったまま運行を再開されるということになります。言い換えると「発火するかもしれない」ということです。

今回とられた対策と残課題を整理するとこのようになります。

・今回の一連の対策はあくまでも「緊急対策」

・恒久的な対策は未解決

緊急対策は、リスクを全て排除したものではありません。あくまでも「その場しのぎ」であり、ここで一連の検証を終了するというのは、発火リスクをそのまま残すということにつながります。

今回は、延焼を防ぐことで火災に伴って墜落するという最悪のリスクを排除したにすぎないのですが、まずは運行を許可する最低条件はクリアしたと当局が判断したものと想定されます。

従って、運行開始で一段落ではなく、今後は発火原因の特定と信頼性の確保を引き続き行い、リスク低減を最大限行うための努力を行うことが必要で、それが供給側が果たす責任であると思います。

ですが、実は私はB787に搭乗したことがあります。非常に質が高い機体ですし、何より部品供給の大部分を日本の企業が行っています。個人的には一刻も早く空の世界に戻ってきてほしいと切に願っています。そのためには質の高いエンジニアの力が不可欠ですね。